【実務担当者向け】システム改修とは?目的・流れ・成果物とリプレイスとの違いを徹底解説

公開日:2025/12/24 更新日:2026/01/27
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【実務担当者向け】システム改修とは?目的・流れ・成果物とリプレイスとの違いを徹底解説

公開日:2025/12/24 更新日:2026/01/27
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初めに

社内システムを長く運用していると、「そろそろ改修が必要では?」と感じる場面が出てきます。改修といっても、単なる修正から機能追加、あるいは全面的な再構築まで範囲はさまざまです。
本記事では「システム改修とは何か」「どのようなケースで必要か」「開発やリプレイスとの違いは何か」を整理し、実務担当者が適切な判断を下せるように解説します。

【実務担当者向け】システム改修とは?目的・流れ・成果物とリプレイスとの違いを徹底解説

社内システムを長く運用していると、「そろそろ改修が必要では?」と感じる場面が出てきます。改修といっても、単なる修正から機能追加、あるいは全面的な再構築まで範囲はさまざまです。

本記事では「システム改修とは何か」「どのようなケースで必要か」「開発やリプレイスとの違いは何か」を整理し、実務担当者が適切な判断を下せるように解説します。

 

システム改修とは?基本的な定義と目的

システム改修の意味と一般的な範囲

「システム改修」とは、既存システムの一部または全体に対して、機能の変更や追加、改善を行うことを指します。単なるバグ修正のような「保守対応」とは異なり、業務や環境の変化に合わせてシステムを適応させるための施策です。基本構造を維持しつつ、特定部分を手直しするのが特徴といえます。

しかし、改修の目的は単に「古くなった部分を直す」ことではありません。
ビジネスや法制度、ユーザーのニーズが変化する中で、現行システムの価値を持続的に高めるための手段です。
デジタル変革(DX)が進むいま、レガシーシステムを一気に置き換えるよりも、段階的にモダナイズしていく「進化型改修」を選択する企業も増えています。

たとえば、オンプレミス上で稼働している一部機能をクラウドへ切り出したり、外部APIと連携する仕組みを導入したりといった改修です。こうした「変化に耐えられる構造」への移行こそ、現代の改修が持つ最大の意義です。

 

改修・再構築・保守との違い

混同されやすいのが「保守」や「再構築(リプレイス)」との違いです。

保守は、既存機能の不具合修正や軽微な調整が中心で、日常的なメンテナンス作業を指します。

(※実務では、保守契約の範囲で小規模な機能追加や改修を行う「保守改修」と呼ばれる対応を含めるケースもあります。)

一方、リプレイスは古いシステムをゼロから作り直すことで、技術基盤を刷新するプロジェクトを意味します。

改修はその中間で、既存の基盤を活かしながら業務要件に応じた最適化を行う手段です。

 

改修を行う主な目的と背景

システム改修の目的は、業務効率化やユーザー利便性の向上、または外部環境への対応など多岐にわたります。
たとえば以下のようなケースが挙げられます。

  • 業務プロセス変更に伴う入力項目や帳票の見直し
  • 新しい法制度や税制への対応
  • セキュリティ強化や脆弱性修正
  • 他システムやクラウドサービスとの連携強化

また、最近では「使いにくい」「操作が煩雑」といったユーザーエクスペリエンス(UX)改善を目的とする改修も増えています。業務効率の改善やデータ活用基盤の整備など、「攻めの改修」が求められる傾向にあります。

 

システム改修が必要となるタイミング

老朽化・技術的負債への対応

長期間運用されているシステムでは、使用しているプログラミング言語やミドルウェアが古くなり、保守が難しくなることがあります。これを「技術的負債」と呼び、放置するとセキュリティリスクや運用コストの増大につながります。

たとえば、サポートが終了したOSやフレームワークを使い続けていると、脆弱性が放置されたままとなります。
また、依存している外部APIやライブラリの更新停止も深刻です。外部サービスが仕様変更を行った場合、連携が途切れ、業務が停止するリスクがあります。

このような状況を防ぐには、依存関係の可視化と定期的な技術棚卸しが不可欠です。おおまかな目安として、5年以上、大規模なアップデートや基盤更新が行われていないシステムは、技術的負債やサポート終了リスクが潜んでいる可能性が高く、改修の検討対象に含めるべきでしょう。

法改正・業務変更による機能見直し

消費税率変更や電子帳簿保存法対応など、法改正によってシステム修正が求められるケースは多くあります。
また、業務フローの再設計や組織再編に伴う機能追加・統合も頻発します。

こうした改修では、業務要件とシステム仕様のズレを早期に洗い出すことが重要です。業務部門とIT部門の連携不足により、仕様の再調整や手戻りが発生するケースも珍しくありません。
そのため、改修を単なる「システム対応」ではなく「業務再設計プロジェクト」と捉える視点が必要です。

 

セキュリティ・運用面の課題対応

クラウド連携やAPI公開が一般化した今、セキュリティ要件の見直しは避けて通れません。
アクセス制御、監査ログの拡張、多要素認証の導入など、「防御層を増やす」改修が求められています。
また、監視やデプロイの自動化など、運用プロセスそのものを最適化する改修も増加しています。

特に重要なのは、セキュリティ改修を単発で終わらせないことです。
定期的な脆弱性スキャンや検知ルールの更新を計画に組み込み、運用と改修を一体的に進める仕組みが理想です。

 

システム改修の進め方と成果物

要件定義からテストまでの基本工程

システム改修も開発プロジェクト同様、明確な工程管理が必要です。一般的な流れは次の通りです。

  • 現状分析と課題抽出
  • 要件定義
  • 設計(基本設計・詳細設計)
  • 実装・単体テスト
  • 結合テスト・総合テスト
  • 本番反映・リリース後検証

既存システムを扱う以上、影響範囲分析と回帰テスト設計が成功のカギとなります。

既存システムでは、「影響範囲外と思っていた部分での不具合」が多く発生します。

単体テスト・結合テストだけでなく、既存機能の動作確認(回帰テスト)も必ず実施しましょう。

特に外部システムとの連携がある場合、テスト環境の整備やデータマスキングなど、事前準備に十分な時間を確保することが重要です。

アジャイル開発を採用する場合でも、「どの部分をいつリリースするか」を段階的に整理し、品質を担保することが求められます。

 

改修における成果物一覧と役割

改修プロジェクトでは以下の成果物を整備するのが一般的です。

  • 改修要件定義書
  • 基本設計書・詳細設計書
  • テスト仕様書・結果報告書
  • 改修履歴管理表
  • 運用マニュアル・リリースノート

さらに、設計差分表や影響範囲ドキュメントを残すことで、将来の改修コストを大きく削減できます。
これらのドキュメント整備は「形式的な作業」ではなく、知識の引き継ぎとリスク低減のための投資と捉えるべきです。

 

外部ベンダーとの連携と注意点

システム改修は、IT部門だけでなく、現場担当者・経営層・外部ベンダーなど、複数のステークホルダーが関わります。外部ベンダーに依頼する際は、改修範囲を明確に定義し、成果物の納品基準を事前に合意しておくことが重要です。
特に「どこまで改修するか」を曖昧にしたまま進めると、スコープの拡大や追加費用の原因となります。

また、開発ベンダーとの関係では「要件定義段階の密なコミュニケーション」が成果を左右します。そのため、進捗共有や仕様確認の場を定期的に設け、認識のズレを最小限に抑える必要があります。
仕様変更や追加要望が発生した場合に備え、変更管理プロセス(Change Request管理)も設けておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。

 

改修と再構築・リプレイスの違い

改修で対応できる範囲と限界

改修では既存の設計思想を前提にすることが多いため、単発・小規模な改修だけでシステム構造を根本的に変えるのは困難です。

たとえば、バッチ処理中心のシステムをリアルタイム処理型に変える場合、単なる改修では対応しきれません。

こうした「アーキテクチャの限界」を見極めることが重要です。

大規模なアーキテクチャ変更を伴う場合は、段階的なリプレイスや再構築プロジェクトとして位置づけ直すことも検討が必要です。

 

リプレイスを選ぶべきケース

次のような場合は、リプレイスを検討すべきです。

  • 現行システムが最新技術に非対応(例:クラウド非対応、API未整備)
  • 変更コストが累積して新規開発より高くなっている
  • 運用保守が属人化している

リプレイスは一見コストが高く見えますが、5〜10年単位の運用コストを見据えたときに最適解となる場合も多いです。

 

判断基準と費用・期間の目安

一般的に、改修はリプレイスよりも低コスト・短期間で実施できます。ただし、老朽化が進んだシステムを無理に延命するより、長期的には再構築のほうが経済的な場合もあります。
判断のポイントは「既存設計をどこまで活かせるか」「今後の拡張や保守が現実的か」という2点です。

判断時には、以下の要素をあわせて検討するとよいでしょう。

  • 技術基盤のサポート状況:使用している言語やライブラリがすでに保守終了している場合、改修を重ねても安定運用が難しくなります。
  • 費用対効果の比較:改修は一時的な費用が抑えられますが、複雑化した設計を維持するコストが増えると、長期的にはリプレイスより割高になるケースもあります。
  • 開発体制の継続性:システムを理解する担当者が減っている場合は、全面刷新のほうがリスクを抑えられることもあります。

費用感としては、一般的な傾向として、中規模システムの部分改修(画面追加や既存機能の拡張など)で数百万円〜1,000万円前後、期間は1〜3か月程度となるケースがよく見られます。ただし、対象業務が基幹系かどうか、外部連携の有無、品質要件(可用性・セキュリティ)などによって大きく変動する点には注意が必要です。

一方で、全面リプレイスとなると数千万円規模・半年以上に及ぶケースも多く、特に基幹システムでは数億円〜複数年プロジェクトになることもあります。

将来的な運用コストや人材確保の観点も含めて、中長期のコストバランスで判断することが重要です。

 

システム改修・保守の費用を最適化する4つのコツ

システムは稼働して終わりではなく、ビジネスの成長に合わせて「改修(機能追加や変更)」が必ず発生します。ここでは、運用コストや改修費用を無駄に膨らませず、最適化するためのポイントを解説します。

 

自社での対応範囲を広げ、工数を削減する

システム開発会社の費用は、主に「エンジニアの工数」で決まります。そのため、技術的なスキルを必要としない作業を自社で引き受けることで、見積もり金額を抑えることが可能です。

 

  • マニュアルの修正: 画面の軽微な変更に伴うマニュアルやヘルプドキュメントの更新。
  • テストデータの準備: 改修内容を検証するためのデータや、テストパターンの作成。 開発会社を「丸投げ」の対象にするのではなく、役割を分担する「パートナー」として動くことが、結果的に大幅なコスト削減につながります。

 

要件と改修箇所を明確にする

「何を、どこまで変えたいのか」が曖昧な状態で依頼をすると、開発会社側は不確定要素(リスク)に備えて工数を多めに見積もらざるを得ません。

 

  • 要件を固定する: 目的や変更範囲をドキュメント化して伝える。
  • 不確定要素を減らす: 依頼内容が明確であればあるほど見積もりの精度が上がり、余計な「バッファ費用」を削ることができます。

 

改修依頼をまとめ、やり取りを効率化する

細かい修正をその都度依頼すると、その度に「打ち合わせ・環境準備・テスト・リリース」という一連の工程が発生し、事務的な管理コストが積み上がります。

 

  • まとめて依頼する: 小さな修正はリスト化して一度に依頼する。
  • テスト回数を減らす: 工程を一元化することで、開発会社側の作業効率が向上し、費用を抑えやすくなります。

 

月額制・定額制(準委任契約など)を検討する

頻繁な改修や継続的な機能改善が予想される場合は、都度見積もりではなく「月額定額制(ラボ型・準委任契約など)」のサービスを利用したほうが、総コストを抑え、柔軟に開発を進められることがあります。 自社のフェーズ(維持メインか、拡大メインか)に合わせて、最適な契約形態を相談することが重要です。

 

システム改修を成功させるポイント

現状分析と課題の明確化

最初の段階で「なぜこの改修を行うのか」を明確にしておくことが最重要です。
目的が曖昧なまま進めると、改修範囲が膨らみ、納期やコストの両方が破綻します。
「老朽化対策」「法改正対応」「業務効率化」など、理由を列挙するだけでなく、どの課題をどの指標で改善したいのかを明確化しましょう。
たとえば「請求処理を1日短縮する」「障害対応時間を半減する」といったKPIを設定すると、関係者全員が同じ目標を共有できます。

この段階では、技術面だけでなく業務面からの課題洗い出しが重要です。
実際にシステムを使う現場担当者の声を拾うことで、潜在的な非効率を可視化できます。
また、既存システムの依存関係を可視化し、どの領域に改修が及ぶのかを事前に把握しておくと、後の手戻りを防止できます。

 

改修範囲と優先度の整理

改修計画では「すべてを一度に直す」のではなく、優先順位づけが極めて重要です。
限られたリソースの中で最大の効果を得るため、重要度と影響度をマトリクス化し、段階的に進めるアプローチが現実的です。
たとえば、法令対応やセキュリティ改善など必須要件は第1フェーズ、UI改善や分析機能の追加は第2フェーズに分けるなど、短期と中長期の改修ロードマップを整理しておくと、全体像を共有しやすくなります。

また、改修対象を選定する際には、「技術的負債が多い箇所」×「業務インパクトが大きい箇所」の組み合わせを最優先にすると効果が高いです。
逆に、利用頻度が低い周辺機能の改修は後回しにするなど、メリハリのある進行計画を立てるとプロジェクト全体が安定します。

さらに、外部ベンダーや社内開発チームとの連携を円滑にするため、改修範囲とスコープを「ドキュメントで明確化」することが欠かせません。
特に改修フェーズでは“ついでの修正”が発生しやすく、これがコスト超過の主要因になります。
そのため、「変更要求(Change Request)」を管理する仕組みを整備し、発生理由・影響範囲・承認フローを明確にしておくとよいでしょう。

段階的なリリースを行う場合は、各フェーズごとに効果測定指標を設定します。
たとえば「エラー件数の減少率」「操作時間短縮」「問い合わせ件数の推移」など、定量データに基づく報告を行うことで、経営層の理解と次フェーズへの承認が得やすくなります。

 

改修後の検証と改善サイクル

改修を完了した後も、運用段階での効果検証と改善が欠かせません。

リリース後に「改修効果をどう測るか」を明確にしておくことで、継続的な改善サイクルを確立できます。

たとえば、処理時間短縮率、工数削減、問い合わせ件数の推移などをモニタリングし、数値で評価しましょう。

効果を定量的に示すことで、経営層への報告資料にも活用でき、次回の改修や予算確保にもつながります。

また、ナレッジ共有やドキュメント更新を定期的に行うことで、次回改修の効率化にもつながります。

「改修して終わり」ではなく、継続的改善(Continuous Improvement) の文化を根付かせることが、長期的な品質維持につながるのです。

 

まとめ:システム改修は「目的と範囲の明確化」が成功の鍵

システム改修は、単なる修正作業ではなく、企業の業務基盤を維持・進化させるための戦略的取り組みです。
現状分析から目的定義、優先順位付けまでを丁寧に行い、計画的に進めることで、コストを抑えながら信頼性と拡張性を両立できます。
改修とは「古いものを延命する作業」ではなく、「次の成長に備える投資」です。
限られた予算やリソースの中でも、長期的な視点で設計・運用を見直すことが、結果的に企業の競争力を高めることにつながります。

 
 
 
 
 

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