システム開発の費用相場はいくら?失敗しない見積もりとコスト削減のポイントを徹底解説
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システム開発の費用相場から、見積もりの見方・工数の考え方・コストを左右する要素までをわかりやすく解説。Web・アプリ・業務システム別の費用目安や、失敗しないベンダー選定のポイント、コストを抑える実践的な方法をまとめた、担当者必見のガイドです。
目次
システム開発の費用相場の全体像を把握しよう
システム開発の費用を正しく理解することは、プロジェクトの成功に直結します。特に企業が新規システムや業務改善のためのツールを導入する際、見積もりをどう捉えるかによって、後々の費用増大やスケジュール遅延を回避できるかが決まります。
まず押さえておくべきポイントは、システム開発の費用には「相場はあるが固定価格ではない」という点です。同じようなシステムでも開発会社によって価格が異なるのはよくあることで、機能の複雑性、使用する技術、開発プロセスの違い、チーム構成などが費用差を生み出します。
一般的な相場として、Webシステムやアプリ開発の費用は以下のような幅があります。
| システム規模 | 費用の目安 | 特徴・補足 |
|---|---|---|
| 小規模システム | 50万円〜300万円 | 単機能/テンプレート利用 など |
| 中規模システム | 300万円〜1,000万円 | 複数機能・業務利用 など |
| 大規模システム | 1,000万円〜数千万円 | 複数連携・高負荷対応 など |
| 業務基幹/複雑なカスタムERP | 数千万円〜1億円以上 | 基幹業務統合システム(全社管理) |
しかし、これらはあくまで目安であり、実際の見積もりは企業の要件、データ連携の有無、セキュリティ要件、開発体制などによって大きく変動します。
費用の全体像を把握するうえで重要なのは、表面の金額だけでなく、「なぜその金額になるのか」を把握することです。見積書には必ず「工数」という概念が登場しますが、これは後述するようにシステム開発費の本質です。
「高い/安い」の判断基準を持つためには、まずは開発工程と費用構造をしっかり理解することが不可欠です。
システムの種類別の費用目安
▼ Webシステムの場合
Webシステムは、業務管理システム、予約システム、ECサイト、顧客管理システム(CRM)など、企業のDX推進に欠かせない存在です。
費用の目安
| システム規模 | 費用の目安 | 特徴・補足 |
|---|---|---|
| 小規模システム | 80万円〜300万円 | 単一機能のツール、簡易的な予約フォーム など |
| 中規模システム | 300万円〜800万円 | 標準的なECサイト、社内の業務管理システム など |
| 大規模システム | 800万円〜3,000万円以上 | 高度な顧客管理(CRM)、外部連携の多い基幹システム など |
小規模な業務管理ツールならテンプレートや低コード(ローコード)で実現できますが、大規模となるとスクラッチ開発が必要になり、費用も大幅に上がります。
▼ スマホアプリ(iOS/Android)の場合
アプリ開発は、Webシステムよりも高額になりやすい傾向があります。理由は、iOSとAndroid両方に対応する必要がある場合が多く、デザインも複雑になりやすいためです。
費用の目安
| システム規模 | 費用の目安 | 特徴・補足 |
|---|---|---|
| 小規模システム | 150万円〜400万円 | 情報表示・簡単な機能 など |
| 中規模システム | 400万円〜1,000万円 | ログイン・通知・チャット・動画再生 など |
| 大規模システム | 1,000万円〜3,000万円以上 | SNS・マッチングアプリ・ECサイト など |
FlutterやReact Nativeといったクロスプラットフォーム技術の普及により、コスト削減は以前より容易になりましたが、それでもWeb開発よりは高額になりがちです。
▼ 業務基幹システムの場合(ERP/在庫管理/販売管理)
企業の中核業務を扱うシステムは複雑性が高く、外部システムとの連携も多いため、費用が大きく膨らむ傾向があります。
費用の目安
| システム規模 | 費用の目安 | 特徴・補足 |
|---|---|---|
| 中規模業務システム | 300万円〜1,500万円 | 在庫管理・販売管理など特定の業務向け |
| 大規模基幹システム | 2,000万円〜5,000万円 | 基幹DB連携・複数部門での利用 など |
| 超大規模システム | 5,000万円〜1億円以上 | 複数拠点・カスタムERP など |
特に既存システムとの連携(基幹DB、会計システム、物流システムなど)が絡むと、工数が大幅に増えます。
開発規模と工数の関係
費用は「開発工数×単価」で算出されます。1人月の単価は業態や契約形態で大きく変動します(例:SESや直請け、フリーランスでは付帯費用が違う)。見積もりでは「1人月に含まれる項目(稼働時間・テスト・QA・マネジメント等)」の内訳を必ず確認してください。
ここで重要なのは、「人数を増やせば開発速度が上がるわけではない」という点です。むしろ、チームを大きくしすぎるとコミュニケーションコストが増え、逆に効率が低下することも珍しくありません。
工数を考える際に考慮すべきポイントは次の通りです。
- 要件の複雑さと粒度
- 既存システム・外部APIとの連携数
- UI/UXの複雑さ
- セキュリティ要件(ログ管理、暗号化、権限管理など)
- 対応デバイス・ブラウザの種類
- 運用前後のデータ移行作業の有無
特に業務システムの場合、要件が曖昧なまま開発が始まると、工数が爆発的に増えることがよくあります。そのため、見積もりの時点でどれだけ詳細に要件を擦り合わせられるかが、予算管理の成否を左右します。
なぜ同じ機能でも費用が異なるのか
同じ「ログイン機能」や「検索機能」でも、開発会社によって見積もりが大きく異なることがあります。これには明確な理由があります。
▼ 理由1:技術レベルや開発体制の違い
開発会社によって、どの程度のエンジニアが担当するかが異なります。
- 若手中心の会社:工数が多くなりやすい
- 経験豊富なシニア:工数は少なくても単価が高い
つまり、「単価が高くても工数が少ない」会社の方がトータルで安い場合もあります。
▼ 理由2:開発方法(ローコード/スクラッチ)
ローコード開発を使えば短期間で構築できますが、細かいカスタマイズには向きません。一方、スクラッチ開発は自由度が高い代わりに工数が増えます。
▼ 理由3:品質基準・テスト体制が異なる
テスト工程を簡略化すると費用は下げられますが、結果としてバグや障害が増える可能性があります。
▼ 理由4:プロジェクト管理の精度
タスク管理やレビュー体制が甘い会社は、手戻りが発生し、その分のコストが上乗せされます。
つまり、表面的な金額の違いの裏には「やり方の違い」があり、それを理解することが見積もり比較の第一歩です。
費用見積もりの内訳とコストを決める要素
人件費・開発期間・技術難易度の関係
費用の大部分は人件費です。短納期や高難易度のシステムほど、優秀な人材を多く必要とするためコストが上がります。スケジュールに余裕を持たせ、段階的な開発計画を立てることでコストの最適化が可能です。
システム開発では、以下の3つが費用を左右する主要因です。
- 技術難易度(AI・認証・速度要件・業務ロジック)
- 作業量(要件の粒度・機能数・データ量)
- 期間(短ければ短いほど“特急料金”が発生)
特に短納期プロジェクトはリスクが高く、開発会社も多くの人材をアサインせざるを得ないため、自然とコストが増えます。
要件定義・設計・開発・テストそれぞれの費用割合
一般的に以下のように分配されます。
- 要件定義:10〜20%
- 設計・実装:50%前後
- テスト/品質保証:15〜25%
- 保守・運用:10〜20%
要件定義を軽視すると、後の工程で手戻りが大量に発生し、最終的に2倍以上の費用がかかってしまうケースもあります。
外注か内製かで変わる費用構造
どちらにもメリット・デメリットがあります。
▼ 外注の場合
メリット
- 専門技術を持つ人材を確保しやすい
- 短期間でチームを作れる
- 品質保証体制が整っている
デメリット
- 管理コスト・利益が上乗せされる
- 要件変更が発生すると追加費用が発生しやすい
▼ 内製の場合
メリット
- 長期的にはコストを抑えられる
- 業務理解が深いメンバーで開発できる
デメリット
- エンジニア採用の難易度が高い
- 教育・育成に時間がかかる
- 開発速度が遅くなりやすい
企業の規模やプロジェクトの特性に応じて適切な選択をすることが重要です。
システム開発費用を抑える5つのポイント
スコープの明確化で追加費用を防ぐ
開発範囲(スコープ)を明確にしておくことで、後からの機能追加や仕様変更によるコスト増を防げます。要件書やワイヤーフレームを早い段階で共有しましょう。
特に以下は必ず定義しておくべきです。
- 対象業務の範囲
- MVP(Minimum Viable Product:実用最小限の機能を持つ製品)で実装する機能
- 優先度(必須/できれば/余裕があれば)
- データの扱いと連携の範囲
スコープが曖昧だと、開発会社は想定工数を高く見積もるため、結果として費用が膨らみます。
開発会社とのコミュニケーションを密にする
開発中の齟齬や手戻りはコスト増の大きな原因です。
- 週次ミーティング(オンライン)
- ドキュメント共有(Notion / Confluence)
- UI/UXレビューの定期実施
- スプリントレビューでのフィードバック
これらを実施することで、認識のズレを最小限に抑えることができます。
段階的リリースでリスクを分散する
全機能を一度に開発せず、MVPとして小さくリリースし、効果を確認しながら拡張していくことで、コストとリスクを抑えられます。
段階的開発には以下の利点があります。
- 早期にユーザーの反応が得られる
- 不要な機能に工数を割かずに済む
- 投資判断をフェーズごとに行える
特にスタートアップや新規事業では必須の進め方です。
FP法(ファンクション・ポイント法)で見積もりの妥当性を判断する
システム開発の見積もりが適正かどうかを判断するのは難しいものですが、そこで有効なのが「FP法(ファンクション・ポイント法)」の活用です。
これはエンジニアの作業時間(人月)ではなく、システムの「機能(画面数、データ項目、外部連携など)」に点数をつけ、その合計から開発規模を算出する手法です。
FP法を活用することで、以下のようなメリットがあります。
- 客観的な指標で比較できる
- 不透明な費用の削減
- 仕様変更の影響が明確になる
開発会社に「FP法での算出は可能か」を確認することで、より透明性の高いプロジェクト運営が可能になります。
補助金や助成金を活用して実質負担を軽減する
開発コストそのものを削るだけでなく、国や自治体の支援制度を活用して「実質的な支払額」を抑える視点も非常に重要です。
代表的なものとして、以下のような制度が挙げられます。
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
補助金には公募期間や採択審査があるため、これらに詳しい開発会社をパートナーに選ぶことで、資金面でのリスクを大幅に低減し、コストパフォーマンスの高い開発が実現できます。
見積もり依頼の前に準備すべきこと
要件書・目的・予算上限を整理する
開発目的と予算を明確にすることで、見積もりの精度が上がります。曖昧な依頼は不要な提案を招くため、できるだけ具体的に要件を提示しましょう。
以下は最低限まとめておくべき情報です。
- 解決したい課題
- 必要な機能一覧
- 想定ユーザー数
- 運用フロー
- いつまでにリリースしたいか
- 最低限の予算枠
比較対象となる複数社に依頼する理由
1社だけの見積もりでは相場感をつかみにくいため、3社程度に依頼して比較するのが理想です。
比較時に注目すべきポイントは以下の通りです。
- 工数の根拠が示されているか
- 追加費用が発生する条件が明確か
- テスト・品質保証体制が整っているか
- コミュニケーションのスピード
金額の安さだけで判断すると後悔する可能性が高くなります。
見積もり結果の見方と注意すべき点
見積書を見る際のポイントは以下です。
- 総額だけで判断しない
- 工程ごとの工数根拠を確認する
- 単価が業界相場と乖離していないか確認
- テストやレビュー工程が省略されていないか
異常に安い見積もりは、後から追加費用が発生する可能性があります。また、工数の根拠がない見積もりは要注意です。
信頼できる開発パートナーを見極める方法
実績・レビュー・開発体制の確認ポイント
信頼できる開発会社の特徴として次が挙げられます。
- 過去実績が豊富
- 顧客レビューが公開されている
- UI/UXデザイナーが在籍
- PM・エンジニアのスキルが明確
- コードレビューやテスト体制が整備されている
特に業務システムの場合、業界知識を持つ会社の方が要件定義の精度が高く、結果としてコストを抑えられます。
価格だけで選ばない理由
価格重視で選ぶと、以下のリスクがあります。
- 品質が低く、改修費がかさむ
- 納期遅延で業務影響が出る
- 想定外の追加費用が発生
- システムが属人化して引き継ぎが難しい
最終的に高くつくケースは非常に多く、特に「安さ」を売りにする会社は注意が必要です。
長期的な保守・運用まで見据えた選定基準
開発後の運用フェーズはプロジェクト全体の30〜50%の期間を占めます。
重要なチェックポイントは以下です。
- 保守費用の算出方法(定額/工数制)
- 障害対応のSLA(優先度・対応速度)
- 技術スタックが最新か(古い技術は保守費増加)
- ソースコードや環境の引き継ぎがスムーズか
長期的に信頼できるパートナーを選ぶことで、トータルコストを抑えることができます。
システム開発費用は「金額」ではなく「構造」で判断する
システム開発の費用相場は、一定の目安こそあるものの、固定された価格表が存在するものではありません。
費用は「開発工数 × 単価」を軸に、要件の複雑さ、技術選定、開発体制、品質基準、スケジュールなど、さまざまな要素が絡み合って決まります。
そのため、見積もりを正しく判断するために重要なのは、
「いくらか」ではなく 「なぜその金額になるのか」 を理解することです。
特に押さえておくべきポイントは以下の通りです。
- システムの規模・種類(Web/アプリ/業務基幹)によって相場は大きく異なる
- 同じ機能でも、開発方法・品質基準・体制によって費用差が生まれる
- 要件定義の精度が、最終的なコストと成功率を大きく左右する
- 安さだけで選ぶと、追加費用・品質低下・運用トラブルのリスクが高い
- 開発後の保守・運用まで含めて「トータルコスト」で考えることが重要
また、費用を抑えるためには、スコープの明確化、段階的な開発、開発会社との密なコミュニケーションが欠かせません。見積もり依頼の前に目的・要件・予算感を整理しておくことで、無駄なコストを防ぐことができます。
システム開発は「作って終わり」ではなく、事業や業務を支え続ける投資です。短期的な金額だけにとらわれず、長期的な視点で信頼できるパートナーを選ぶことが、結果的にコストとリスクを最小化する近道となります。
費用相場の全体像と考え方を理解したうえで、自社にとって最適なシステム開発の進め方を選択していきましょう。
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