【初心者向け】デグレとは?意味・原因・防止策・テスト方法をわかりやすく解説

公開日:2025/12/25 更新日:2026/01/29
  • Web開発
  • アプリ開発

【初心者向け】デグレとは?意味・原因・防止策・テスト方法をわかりやすく解説

公開日:2025/12/25 更新日:2026/01/29
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初めに

開発やQA現場でよく耳にする「デグレ(デグレード)」。しかし、「なんとなくは知っているが正確に説明できない」「原因や対策方法が曖昧」「レビューやテスト工程で対応に迷う」と感じている人は少なくありません。デグレは軽視されることが多いものの、発生すると納期遅延・手戻り・品質低下など、開発プロジェクトに大きな影響を与える問題です。本記事では、デグレの正確な定義、原因、よくある事例、テスト手法、防止策までを体系的に整理し、初心者でも理解できる形で実務へ活用できる内容にまとめています。
また、後半では現場で使えるテンプレートや、回帰テスト設計方法、アジャイル・ウォーターフォールそれぞれにおけるデグレ対策実践例なども紹介しています。この記事を読み終える頃には、「デグレが起こる理由」「どう防ぐべきか」「どのタイミングで検証すべきか」が自信を持って説明できるようになります。

デグレとは?意味と基本概念

デグレ(Degrade)は開発・保守が継続されるソフトウェアにおいて、過去に正常動作していた機能が改修後に劣化・後退し、動かなくなる現象です。特に、長期運用されるプロダクト・複雑な機能を持つアプリ・複数メンバーで開発を行う環境において発生しやすく、品質管理上の大きなリスクとされています。

 

デグレの正式名称と使われ方

デグレとは「デグレード(Degrade)」の略称で、既存機能が改修や新機能追加などの作業によって後退、劣化、または動作しなくなる現象を指します。主に開発、品質管理、保守フェーズで頻繁に使われる現場用語で、特にWebサービスやアプリ開発における継続的改善の場面で発生しやすい問題です。

現場では以下のような文脈で使われます:

  • 「昨日の実装でトップページの検索機能がデグった(壊れた)」
  • 「APIのパラメータ変更で注文履歴画面がデグレしている」
  • 「リリース前に回帰テストしないとデグレが怖い」

つまり、デグレという言葉には「原因が新しい実装にあることが前提」として含まれています。

 

デグレとバグの違い

デグレはバグの一種ではありますが、両者には明確な違いがあります。

項目 デグレ バグ
発生契機 改修・追加機能による影響 設計・実装ミスに起因
典型例 既存機能が突然動かなくなる 仕様通りに動作しない
再発性 古い影響が再発しやすい 原因を修正すれば収束する傾向
対策方法 回帰テスト・依存分析が重要 単体テスト・デバッグが中心

特に重要なのは、デグレは「修正すれば終わり」ではなく、再発の危険性が高い問題という点です。

 

デグレを放置することで生じるビジネスリスク

デグレは単なる「プログラムの不具合」に留まらず、放置すればビジネス全体に深刻なダメージを与えます。具体的には以下の3つのリスクが懸念されます。

 

1. ユーザーからの信頼失墜とビジネス機会の損失
既存ユーザーにとって、昨日まで使えていた機能が突然使えなくなることは、新機能の不具合以上にストレスを与えます。特に決済やログインなどの基幹部分でデグレが発生すると、ブランドイメージの低下だけでなく、直接的な解約(チャーン)の原因となります。

 

2. 修正コストと工数の増大(手戻りリスク)
不具合は発見が遅れるほど、修正にかかるコストが指数関数的に増大します。リリース後にデグレが発覚すると、原因特定や再修正、データのリカバリ作業など、開発初期に防げていれば不要だったはずの膨大な工数(=コスト)を浪費することになります。

 

3. 開発チームのモチベーション低下とスピード鈍化
デグレが頻発すると、チーム内に「修正が新たなバグを生む」という不安が広がり、コード変更に消極的になります。その結果、リリースの心理的障壁が高まり、競合に負けないための迅速な機能改善が困難になります。

 

デグレが発生しやすいケース

デグレは特定工程だけで発生するわけではありませんが、以下のような状況で特に多く報告されています。

 

🔹 リファクタリング後

  • コード整理や改善のつもりが挙動に影響
  • 依存関係が見抜けていない
  • 仕様確認不足のまま古い条件式を削除

 

🔹 外部ライブラリ・フレームワーク更新

  • API仕様変更
  • 廃止メソッド(Deprecated)未対応
  • 更新ログ(Release Notes)未確認

 

🔹 大規模マージ・複数ブランチ作業

  • 競合解消時のロジック削除/上書き
  • コード統合時の想定漏れ

 

🔹 UI/UX改善作業

  • HTML・CSS更新でイベント紐付けが外れる
  • FormやValidation条件が変わり想定処理が動かない

 

これらはいずれも、「変更の影響範囲が正確に把握できていない状態」で作業が進むことで発生します。

 

デグレが起きる原因

デグレは偶然発生するのではなく、プロジェクト構造・作業内容・品質管理体制など複数要因が重なって起きる現象です。ここでは現場で特に多い要因を整理します。

 

仕様変更や新機能実装時の影響

最も典型的なケースが仕様変更や新機能追加です。機能追加は新しいコードを増やすだけでなく、既存機能との整合性、APIレスポンス、画面UIなどへの影響を引き起こす可能性を持ちます。

特に以下のケースは注意ポイントです:

作業内容 ありがちな影響例
フィールド追加 DB保存処理失敗、既存APIが仕様不一致
UI刷新 ボタンイベント紐付け消失、表示条件未更新
ロジック変更 条件分岐未考慮、例外処理未対応

コードは常に相互依存で動いているため、「部分のみの修正」が他箇所の挙動を変える危険性があります。

 

テスト設計不足・認識齟齬

デグレが本番まで流出する背景には、テスト設計の不備があります。特に属人化されたテスト運用ではリスクが高まります。

 

📌 よくある問題構造

  • 「前回似た不具合があったが記録されていない」
  • テストケースが更新されていないため過去の失敗が繰り返される
  • 機能重要度に応じた優先順位がなく、表面だけの動作確認に終始

 

テスト設計が行われていても、運用が更新されていない=形骸化していると意味がありません。

 

運用フローやコード管理の問題

管理フローに問題がある場合、デグレは加速度的に発生します。

例:

問題要素 デグレにつながる理由
レビューが形骸化 影響範囲分析や仕様確認が形式だけになる
ブランチ戦略なし マージが複雑化し、衝突や上書きミスが発生
CI/CD未構築 手動検証に依存、テスト漏れが多発

デグレは技術問題だけでなく、開発文化・チーム運用・基盤整備不足の結果生まれる組織課題でもあります。

 

デグレのよくある具体例

現場で頻発するデグレ事例を、実際の業務状況に近い形で整理します。

 

UI変更に伴う既存機能の不具合

画面デザイン変更は見た目以上にロジックへ影響します。

よくある症状:

  • ボタン名変更でテストシナリオ破綻
  • CSS変更で非表示状態となりクリック不能
  • 入力チェックが消えフォーム送信失敗

UI変更=フロントだけの話ではなく、機能そのものに連動する更新である点が重要です。

 

API変更で依存箇所が動かなくなるケース

外部・内部APIとの接続がある場合、変更は広範囲へ影響します。

 

例:

  • APIレスポンス形式変更(JSON→Object構造変更)
  • バージョンアップで必須パラメータ追加
  • ステータスコード仕様変更で処理分岐失敗

 

API接続はテスト観点が広く、変更→修正→見落とし→再発の循環が起きやすい領域です。

 

リファクタリングでの影響範囲ミス

リファクタリングは品質向上のための活動ですが、影響範囲分析が甘い場合、内部処理の依存箇所にズレが生じ、結果として既存機能が動作しなくなる典型例です。

例:

リファクタリング内容 発生した問題
メソッド共通化 特定条件で旧仕様前提コードが動作
定数統合 特殊値対応が消え認証機能が停止
冗長処理削除 実は仕様上必要だった例外処理消失

リファクタリングは経験豊富な開発者でも間違いやすい領域であり、事前分析+テスト更新+レビュー強化が必須です。

 

デグレを防ぐ方法

デグレ対策は「修正する」だけではなく、仕組みとして“再発しない環境”を構築することが重要です。

 

リグレッションテストの設計と実行

リグレッションテスト(回帰テスト)は、デグレ防止に効果的な施策です。

重要な考え方:

  • テストケースは変更対象のみでなく周辺影響範囲を含める
  • 重要機能・高頻度利用領域を優先
  • 過去不具合は必ずテスト化し「再発防止資産化」する

実施方法例:

優先度 テスト対象 判断基準
認証/課金/検索など主要機能 失敗時ビジネス・顧客影響が大
関連画面や補助機能 変更対象と依存関係あり
UI微調整・非クリティカル領域 影響が小さい

 
 

影響範囲分析と仕様整理

コード変更前には以下を明確にします:

  • 仕様書・要件書と変更点の整合性
  • 依存モジュール・API・DB項目の洗い出し
  • 過去類似事例との比較

ツール活用例:

分類 活用ツール例
ソース依存可視化 SonarQube, IntelliJ依存解析
API影響分析 Swagger, Postman Collections
テスト更新 Jira, TestRail, Zephyr

影響範囲が可視化されるほど、デグレ発生率は下がります。

 

コードレビューと自動化アプローチ

デグレゼロ運用に近づくには自動化が必須です。

必須要素:

  • 静的解析(Lint / CIチェック)
  • ユニット/結合/自動回帰テスト
  • CI/CDパイプライン導入

特に回帰テストの自動化は、リリース頻度が高い開発体制ほど効果が大きく、人手検証コストを削減しつつ品質を維持できます。

 

現場で使えるデグレ対策テンプレート

チェックリスト形式の再発防止策

作業前/作業後に以下チェックを実施します。

📌 作業前

  • 変更理由・背景・仕様の整理はできているか
  • 依存範囲の洗い出しと影響分析は完了しているか
  • 過去類似不具合履歴は確認済みか

📌 作業後

  • 既存テストケースに影響はあるか
  • テスト内容は更新され、レビュー共有されているか
  • CI/CDで再発チェックが通過しているか

 

テストケースの作り方と管理方法

テストケースは属性で分類して管理することが重要です。

例:

種類 内容
機能維持テスト 既存仕様が変更されていないことを確認
変更点検証テスト 新仕様が期待通り動作するか確認
回帰テスト 過去不具合・依存範囲の再発確認
クリティカルテスト サービス影響度が高い領域を監視

 
 

開発プロセスに組み込む改善アクション

改善は属人的ではなく仕組み化する必要があります。

導入しやすい改善例:

改善施策 効果
パイプラインに回帰テストを組み込み自動化 手戻り削減・リリース速度維持
レビュールール明文化 判断基準統一で品質ブレ抑制
振り返りでデグレ原因分析 組織的再発防止ループ構築

 
 

まとめ・相談案内

デグレは開発現場で避けられない現象ですが、正しい知識と再発防止の仕組み作りによってコントロール可能な領域です。本記事で紹介した原因分析、リグレッションテスト(回帰テスト)、自動化、レビュー体制などを実務に取り入れることで、品質と開発効率の両立が実現できます。

もし「自社の開発やQA体制でデグレが多発している」「効率的な品質担保と改善フローを作りたい」と感じている場合は、ぜひ一度ご相談ください。専門家とともに継続可能な品質戦略を構築できます。

 
 
 
 
 

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