医療SaaSとは?導入メリット・選び方・代表的な医療系SaaS企業を徹底解説

公開日:2025/12/23 更新日:2026/01/19
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医療SaaSとは?導入メリット・選び方・代表的な医療系SaaS企業を徹底解説

公開日:2025/12/23 更新日:2026/01/19
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ディスクリプション
医療SaaSの基礎から導入メリット、選び方、代表的サービスまでを詳しく解説。電子カルテやオンライン診療などの活用例を交え、医療DXを進めるうえで押さえるべき実務ポイントをわかりやすくまとめています。中小クリニックから医療法人まで役立つ内容です。

医療SaaSとは?基本概念と特徴

医療SaaSとは、病院・クリニック・医療法人などの医療機関が、診療や経営、患者とのコミュニケーションに必要な各種システムを、クラウド経由で利用できるサービスのことです。従来のように自院のサーバーにソフトウェアをインストールして運用する方式とは異なり、インターネットを通じて常に最新の機能を利用できる点が特徴です。

かつて医療機関の情報システムは、電子カルテを中心に院内サーバーで構築されることが一般的でした。しかし、技術の進化や医療DXの推進、診療報酬改定への迅速な対応、そしてセキュリティ要件の高度化などにより、クラウド型SaaSの採用が徐々に増えています。現状では、電子カルテの普及率は約半数程度の診療所で導入されており、今後も増加傾向にあるといわれています。

医療業界でSaaSが注目される理由には、大きく以下の5点があります。

  • 法令改正への迅速な対応
    →診療報酬改定やオンライン資格確認、電子処方箋など、制度変更への対応が求められる場面で、クラウド型サービスなら比較的スムーズに機能更新が可能です。
  • セキュリティ水準の確保
    →医療情報は特に保護が求められる個人情報です。院内で高度なセキュリティを整備する負担を軽減し、クラウドで統一管理することで安全性を高めることができます。
  • IT専門人材が不足している医療機関に適している
    →専任の情報システム担当者が置けない小規模クリニックなどでも、少人数で安定運用が可能です。
  • 複数拠点を持つ医療法人の一元管理
    →クラウドであれば院外からも安全にアクセスでき、データ管理や事務作業の統合が容易になります。
  • 患者とのデジタル接点の多様化
    →オンライン診療やポータルアプリ、WEB予約、検査結果閲覧など、患者向けサービスはクラウド前提で開発されることが多く、利便性向上につながります。

こうした背景から、医療SaaSは単なる「システム入れ替え」ではなく、医療現場の業務効率化や経営改善、働き方改革、患者体験向上の重要な手段として注目されています。

SaaSの仕組みと医療分野での活用例

SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアを自社サーバーにインストールせず、インターネットを通じて必要な機能だけを利用できるクラウド型サービスのことです。ユーザーはブラウザや専用アプリからログインするだけで利用でき、ハードウェアの準備やソフトウェアの保守、アップデート、障害対応はサービス提供会社が担当します。また、多くの場合「利用した分だけ支払う」料金体系が一般的です。

医療分野でも、SaaSの仕組みは非常に相性が良く、次のような場面で利用が広がっています。

  • 電子カルテ(EHR)
    →クラウド型電子カルテは、中小規模のクリニックを中心に導入が増えています。医療機器との連携やレセプト対応も比較的自動化され、運用負担の軽減につながります。
  • 予約・問診管理
    →WEB予約や事前問診、オンライン決済まで一貫して管理でき、院内の待ち時間短縮や業務効率化に寄与します。
  • レセプトオンライン請求
    →診療報酬請求を自動化し、返戻の減少や事務作業の簡略化が期待できます。
  • 患者向けポータル・オンライン診療
    検査結果の閲覧、次回予約、チャット相談などを一元化でき、患者満足度の向上にもつながります。
  • 医師間の情報共有
    →在宅医療や地域連携において、医師・看護師・薬剤師がクラウド上で情報を安全に共有できます。

オンプレミスとの違い

従来型のオンプレミスシステムでは、院内サーバーの購入やネットワーク整備、停電対策、セキュリティ構築、バックアップ管理など、さまざまな作業が必要でした。さらに、システム更新や障害対応には現地作業が伴い、施設の増加に伴う再構築も課題でした。

一方、SaaSを利用すると、これらの負担を軽減できる可能性があります。例えば、初期費用を抑えて導入でき、自動アップデートで常に最新状態を保つことができるほか、遠隔からの保守対応や高可用性のデータセンターによる安定稼働が期待できます。また、法令改正への対応や利用者・端末数の増加にも比較的柔軟に対応できる点が利点です。

医療SaaS導入の主なメリット

1. コスト削減と運用負担の軽減

従来の院内サーバーやネットワーク設備を自前で用意する必要がないため、初期費用や維持管理コストを大幅に抑えられます。電源設備や空調管理、バックアップ作業など、これまでシステム担当者が手間をかけていた業務もクラウドで自動化されることが多く、医療機関の負担が軽くなります。さらに、障害発生時も提供会社が遠隔で対応できるため、診療の停止リスクを低減できます。複数施設を持つ医療法人では、同じシステムを共有することでデータ管理や業務の統合が容易になり、効率化やコスト最適化に寄与します。

2. セキュリティ・法令対応の強化

医療情報は高度な個人情報であり、法律やガイドラインに沿った厳格な管理が求められます。SaaSでは、暗号化通信やデータ保管の暗号化、多要素認証、操作ログの自動記録など、標準で高水準のセキュリティ機能が提供される場合が多いです。また、法令改正や診療報酬の変更に伴うシステム更新も提供会社が対応するため、最新の法規制への準拠が比較的容易になります。

3. 運用の柔軟性と業務効率の向上

ユーザー数や端末の増減に応じてシステムを柔軟に拡張できるため、規模の異なる施設でもスムーズに運用可能です。オンライン予約や電子カルテ、レセプト請求といった機能がクラウドで一元管理できることで、日常業務の効率が向上し、スタッフの負担も軽減されます。結果として、医師や看護師が診療や患者対応により集中できる環境が整います。

医療SaaSの主な種類と導入領域

診療支援系(電子カルテ・予約・レセプト)

診療業務の効率化に直結する領域で、電子カルテや予約管理、レセプト請求などが中心です。

問診データの自動取り込みやカルテへの入力補助、オンライン予約や決済の連携により、院内での作業負担が軽減されます。

また、診療データをもとに返戻防止や業務改善をサポートするAI機能が組み込まれたサービスも増えています。医療機器やクラウド型PACSとの連携により、画像診断の効率化も進み、複数拠点の診療情報を統合管理できるのも大きな利点です。

経営支援系(会計・勤怠・分析)

医療法人の経営には、多くのデータ管理や分析が求められます。

クラウド型の会計・財務管理や勤怠管理、在庫管理などを統合することで、施設ごとの状況やKPIをリアルタイムで把握できます。経営ダッシュボードを活用すれば、収益予測や費用対効果の分析も簡単に行え、スタッフのシフト管理や労務管理も効率化できます。

これにより、経営者や管理部門は意思決定の精度を高めつつ、現場負担を軽減できます。

患者コミュニケーション系(ポータル・オンライン診療)

患者との接点をクラウド上で整備することで、利便性向上と医療サービスの質向上を両立できます。

オンライン診療の予約、チャット相談、処方箋のデジタル発行、検査結果のWEB閲覧、来院リマインダーや健康データ管理など、多様な機能を一元化可能です。

これにより、患者の再診率や治療継続率の向上にもつながり、医療機関の競争力強化にも寄与します。

医療SaaSの比較と選び方

医療特化型か汎用型かを見極める

医療SaaSを選ぶ際には、まず自院のニーズに合った種類を見極めることが重要です。

大きく分けると、医療特化型汎用型の2種類があります。

医療特化型は電子カルテやレセプト、オンライン診療など、診療行為と直結する業務に適しており、法令改正や診療報酬への対応が必要な場合に特に有効です。

一方、勤怠管理や会計、タスク管理など、診療とは直接関係のない業務は汎用型でも十分なケースが多く、コストや運用の柔軟性を考慮して選ぶことができます。

セキュリティ・法規制対応状況を確認

セキュリティ・法規制対応状況も確認すべきポイントです。

国内データセンターの利用状況やデータの冗長化(マルチAZ対応)、暗号化方式、監査ログの保持期間、災害対策(BCP)やインシデント対応体制など、基準を満たしているかをしっかり確認する必要があります。

特にオンプレミスからクラウドへ移行する場合は、院内での情報の外部保管に関する合意形成も重要です。

導入・サポート体制を重視

導入・サポート体制も医療機関にとって大きな判断材料です。

操作説明や教育プログラムの提供、トラブル時の即時対応、定期アップデートの頻度、現場の要望を反映するスピードなど、運用の安定性が導入成功の鍵となります。

「使いやすさ」だけでなく、日常的に安心して運用できる環境が整っているかどうかを見極めることが重要です。

医療系SaaS導入時に直面するセキュリティのリスク

導入によるメリットが大きい医療SaaSですが、特有の注意点も存在します。導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下の3点を確認しておきましょう。

サイバー攻撃による個人情報漏洩のリスク

医療機関を標的としたランサムウェアなどのサイバー攻撃は年々巧妙化しています。クラウド上に保管された患者の診療データや個人情報が攻撃を受けると、情報の流出だけでなく、システム停止による診療の中断という甚大な被害を招く恐れがあります。

  • 対策: サーバーの暗号化やバックアップ体制の確認はもちろん、ベンダー側が厚生労働省・経済産業省・総務省の定める「3省2ガイドライン」に準拠しているかを必ず確認しましょう。あわせて、脆弱性診断の実施状況や、万が一のインシデント発生時の対応フローが明確であるかも重要な選定基準となります。

ID・パスワード漏洩による第三者の不正アクセス

どれほど強固なシステムを導入しても、職員のIDやパスワードが使い回されていたり、安易な管理がされていたりすると、第三者による不正アクセスの入り口となります。SaaSは「どこからでもアクセスできる」のがメリットですが、それは「IDさえあれば誰でも入れる」というリスクの裏返しでもあります。

  • 対策: 単純なパスワード認証だけでなく、**多要素認証(MFA)**の導入や、特定の場所からしかアクセスできない「IPアドレス制限」などの機能を活用し、認証の壁を二重三重に作ることが重要です。

代表的な医療SaaS企業

M3(エムスリー)

  • 国内医師の98%以上が利用
  • 臨床支援、治験、地域医療連携など幅広い領域をカバー
  • 病院・クリニックの両方に強い
  • データ基盤が強く予測分析・臨床支援にも注力

医療データの蓄積量とプロダクト数は国内トップクラスです。

MICIN(クロン)

  • 国内オンライン診療市場トップ
  • 「curon」を中心に、チャット相談・服薬指導・デジタル問診まで展開
  • UI/UXが優れており患者評価が高い
  • 保険診療・自由診療の両方に対応

オンライン診療だけでなく、患者管理機能と一体で使える点が強み。

メドレー(CLINICS)

  • オンライン診療のパイオニア
  • 電子カルテ・問診・決済を統合したプラットフォーム
  • クリニック向けに最適化された設計
  • 医療・介護・人材まで広い領域で展開

予約・問診・オンライン診療が一つにまとまっているため、少人数クリニックでも導入しやすい。

医療SaaSで医療現場のDXを加速させよう

  • 自院の規模・課題・診療スタイルに合ったSaaSを選ぶことが重要
  • 法令遵守・セキュリティ確認は必須
  • 無料デモ・トライアルを活用して段階的導入が最も安全
  • 医療SaaSは診療効率化・患者満足度向上・経営改善の中心

医療SaaSは「システム入れ替え」ではなく、
医療現場の働き方改革・患者体験変革・経営高度化を実現する医療DXの中核です。

 
 

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